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鉄道模型 Nゲージ

対幻想から鉄旅幻想へ

鉄道模型を楽しむ人々の生態学


対幻想から鉄旅幻想へ

 50を過ぎるとオヤジは加齢臭が漂うようになるそうだ。わたしは、もともと九州の炭鉱長屋で、幼年期を過ごしたので多少の汚れやアンモニア系悪臭には耐性がある。銀杏のあの匂いもときに食欲をそそるぐらいだ。
 我が家には同居中の爺さんがいるが、妻に言わせるととても加齢臭がきついらしい。しかも、自炊ができるので、というより呆けない為自炊をさせているのであるが、タチヤなどから、安いクサヤ系の焼き魚を買ってきたり、朝鮮づけやにんにく料理を大いに好むため、爺さんの厨房は、土俗エスニックの世界だ。しかも、何度注意しても換気扇をしっかり回さないし、空気の入れ換えもしない冬場は、相当な悪臭が漂うらしい。私は、気にならないが、女はそうはいかないようだ。2階に生活する、妻にしてみれば、料理の悪臭と換気しない生活臭と加齢臭のごったまぜが1階から上昇してきて気分が悪くなるらしい。いつぞやはほんとうに「うへぇ うへぇ〜」とむせていた。
 「あなた!!この臭い 何とかしてよ!!」・・といわれても・・・「換気扇しっかり回してね」ぐらいしかいえない。それで近頃は、私の身体をくんくん臭って「まだ、加齢臭はないわね」といやみをぶっこくのである。
 妻の職場にやはり、50代のオヤジが加齢臭を気にして、オーデコロンなどを使用しているのであるが、加齢臭+オーデコロン臭で大変なことになっているらしい。

 いずれ私にも加齢臭が漂うようになったとき、夫婦関係はどうなるのだろうか? そういえば、いつぞや、偶然「ぬぅ〜」と顔を妻の顔面に近づけたとき、「きゃぁ!!」と後ろに跳びのいたのをみて少なからず、傷ついた。確かに、悪人づらだし、老化により黒子が大きく盛り上がってきている。シミもしわも増えた。ひげが突然変異をきたし、数本、異様に太くなったりもしている。男としての性的魅力はなくなり、ただ、腹の皮下脂肪と頭皮の面積が広がるのみだ。それに40代の後半に至る妻も、腕周りは私より太い肝っ玉母さんになっちゃてる。もはや、性関係という夫婦の対幻想は微塵もなくなった。

 たとえば、ある日突然、妻が「わたし、恋人がいるの、人生やり直すわ、グッバァ〜イ」と去っていっても、「あっ そぉ」「らくだ色の下着類やコルセットは持っていってね、それから、冷蔵庫の中にある半年前の紅しょうがも処分しといて」ぐらい声をかけてあっさり、お別れするのではないだろうか。そして私は、週末に販売予定のモデモ(飛行機の長谷川の鉄道模型部門)の「馬面電車」モ600形を手に入れ、あるいはカトー社製の885系「白いかもめ」再販をレールで走らせつついずれ実物に乗ろうなどという瞑想を楽しむことになっちゃうのかもしれない。女への嫉妬よりも、希少価値の高い鉄道模型を所有するマニアへの嫉妬のほうが強くなってしまったら・・・いやむしろ、それはそれで新しい生きがいを発見したようで、良いのかもしれない。

 鉄道模型をはじめてみて、あらためて、こいつは奥の深いホビーであると痛感している。もちろん「帆船模型」はキングスホビーとして君臨しているが、こいつは、もっと気長になれる年齢とイタリア語(イタリア製が多い)などに精通してしかも図面も引けなければならない。その点、鉄道模型は完成品でもキットでもまた完成品の改造も実に易しく取り組むことができる。一応、鉄道王国日本であるため、模型の種類、バリエーションは数限りない。
 そういえば、鉄道模型はタミヤのスケールモデル以前より現在に至るまでほとんど、廃ることなく綿々と楽しまれてきている。その息長く続く理由は、いろいろあるだろうが、まずは実物があること。鉄道の旅をすると、たいてい、模型化された電車に乗ることになる。旅から戻った後、その模型を所有しているならば、手のひらに載せて、旅の思い出に浸ることができよう。それから、収集する方法というか集めるためのテーマが決めやすいのもよい。地元の鉄道 九州のドーンデザイン系の鉄道 新幹線全タイプ ローカル線 豪華夜行列車 機関車 貨車 蒸気機関車 私鉄 ロマンスカー系 イベント電車 などなど。テーマ別に集め始めれば200両ぐらいすぐにいってしまう。

 まあ、まったく興味のない妻からすれば単なる金の浪費であろうが。、しかし実用性があるとはいえブランドバッグや靴、服なども興味のない鉄道マニアからすればそれこそ、無駄なものだろう。ジーパンとトレーナー、ジャンパーそれにウエストポーチとリュックがあれば外見など気にならない。女性よりも鉄道模型。もともと同質ではないがどちらかを選べといえば鉄道模型を・・・こうなると、退職後の燃え尽き症候群もぬれ落ち葉あつかいも、無縁だ。「墓にはJR300系と名鉄7000系だけは入れといてくれ」と遺言を書いちゃうかもしれない。

 鉄道模型はロマンスなのです。小田急ロマンスカーみたいに優雅で美しく、気品があるのです。そして鉄旅をリタイアしたら存分に楽しみたい。そう思うと、明日からの仕事にも活力が沸いてきます。

 鉄道模型にはまって・・・よかったぁ・・・


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鉄道模型を楽しむ人々の生態学


アキバにいった。鉄道模型の中古を探すためだ。しかし、中古屋は稀少品に、あくどい値段をつけていた。例えば、リレーつばめに、定価の2倍の値段をつけていたのだ。しかし、名古屋のラディッシュでは、定価の6割であった。それに、3ヵ月後の再販アナウンスがあってのであるが、この場合、買った人は大損ということになる。